炭鉱・鉱山から照射する東アジア型資本主義研究と日韓台ネットワーク

地域研究 経済学 社会学
キーワード

総合人間科学部 / 社会学科

中澤 秀雄 教授

概要

 東アジアの産業化・近代化に大きな役割を果たした炭鉱・鉱山を対象に、日本・韓国・台湾の資料を包括的に収集・分析することを通じて、3つの国・地域に共通する東アジア型資本主義の発展過程と構造を実証的に解明するとともに、文化資源としての炭鉱・鉱山の価値を明らかにするような資料アーカイブを構築して国際的な研究交流と相互理解の基礎を構築する研究です。

応用例

① 東アジア型資本主義の原型を理解し、炭鉱産業における精妙な賃金体系や離職者対策の経験から、21世紀にも応用できる示唆を得ることができます。

② 炭鉱・鉱山の歴史や文化は21世紀において注目され、世界遺産・世界記憶遺産・日本遺産等に多数の遺構・文書等が登録されています。観光を高度化する上で欠かせない資源であることは勿論ですが、今後のエネルギー政策を考える上でも示唆的です。

③ 石炭液化技術・掘削技術・保安・労働災害等に関して総合的な知見があり、別分野に応用できる可能性があります。

今後の発展性

 東アジア地域の経済発展・社会変動史を石炭・鉱山というユニークな視点から解明するのみならず、注目が高まる炭鉱・鉱山遺産の展示にあたっての知的基盤を作り、石炭液化技術・掘削技術・保安システム・賃金システム・労働災害の態様と対策等の具体的なテーマについても知見を積み重ねます。

共同研究・外部機関との連携への期待

 企業や外部機関には、立場や目的に応じて調査や情報共有で連携し、石炭・鉱山(産業)という人類史上普遍的な資産を活用できる新たな視点を得られれば幸いです。

関連特許・論文等

連載 炭鉱・鉱山と地域 (8)鉱山から照射する東アジア産業史
中澤 秀雄    NETT   112 72-75   2021年4月
https://www.nett.or.jp/nett/ においてオープンアクセス。連載(1)-(7)も同URLから閲覧可能)

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