マーケティング、ブランド戦略に関わる実証的研究

経営学 心理学
8:働きがいも経済成長も
9:産業と技術革新の基盤をつくろう
10:人や国の不平等をなくそう
12:つくる責任 つかう責任
13:気候変動に具体的な対策を
キーワード

経済学部 / 経営学科

杉谷 陽子 教授

連絡先 yoko.s@sophia.ac.jp

研究テーマの具体例

① 「強い」ブランドを構築するための戦略研究
 ブランドに対する顧客の評価には、たとえ悪いクチコミを読んでも悪化しない「強い」評価と、うつろいやすくてブランドスイッチをおこしやすい「弱い」評価があります。SNSなどを通じて消費者間のコミュニケーションが活発に行われる状況においては、周囲の意見に影響されやすい評価と影響されにくい評価を見分け、「強い」ブランド評価を確立することが重要です。そのためにはどのような戦略が必要であるか、消費者の態度の構造を研究しています。
 また、特に海外の消費者と比較して、日本の消費者のブランド評価にはどのような特徴があるのかについても、国際比較研究を行っています。

② デジタルコミュニケーションに対する消費者の態度の研究
 オンライン店舗やリモートワークの普及に伴い、日常的にデジタルコミュニケーションを利用する機会が増えました。しかし私たちは、デジタルコミュニケーション(例:チャットやビデオ会議)よりも対面コミュニケーションの方が好ましいものであり、できれば対面で話した方が伝わりやすいと感じる傾向があります。最近のオンラインビデオ会議ツールは使い勝手もよく、お互いの表情も声も適切に相手に届けてくれるのに、それはなぜなのでしょうか?
 デジタルコミュニケーションに対する評価の分析を通じて、消費者がコミュニケーションに何を求めるのか、何が満足を規定する要因なのかを研究しています。新しい技術に対する消費者の懐疑的態度の原因を解明することは、AIやロボットを活用したビジネスの普及を妨げる要因の研究にもつながっています。

③ SDGs達成に向けた企業活動の経営上の効果の研究
 多くの企業が、SDGs達成に向けた様々な活動を行っています。例えば、環境問題への対応、貧困国の支援、多様性を重視した雇用制度の導入などです。それらは素晴らしい理念を持った活動ばかりですが、学術研究は、どんなに素晴らしい社会貢献であっても、方法を誤ってしまうと、顧客から好意的に受け入れられないばかりか、「売名行為」などと非難されてしまうことを明らかにしています。社会貢献活動の実施において、企業はどのような点に留意すればよいのでしょうか。成否を分ける要因について研究しています。

産学連携研究の実績

・「オウンドメディアにおけるメッセージ戦略とブランドイメージの研究」(3年間/民間企業)
・「口コミがサービスのリピート購買にもたらす影響に関する研究」(1年間/民間企業)
・「ブランド拡張が製品の差別性およびロングセラー認知に与える影響に関する研究」(3年間/民間企業)

過去の主な講演テーマ

・「カーボンニュートラルに向けた消費者行動の変容とリスクコミュニケーション」(民間企業)
・「チャットによる通信販売と消費者心理:被害防止に向けて」(NPO)
・「企業のブランド力とはなにか:その意義と効果について」(民間企業)
・「職場におけるリモートワーク/オンライン会議の活用について」(民間企業)
・「対面コミュニケーションとインターネット・コミュニケーション:その効果と違い」(政府/民間企業)
・「今後のブランドマネジメントの方向性について」(民間企業)

委員/審査員/講師等の実績

・内閣官房 ITコミュニケーション活用促進戦略会議(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)構成員
・国土交通省 ITを活用した重要事項説明等に係る検討委員会 構成員
・内閣府消費者委員会 デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ 講演
・公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団 吉田秀雄賞 予備審査員
・日本マーケティング協会 マーケティング大賞 審査員

シェアする