超臨界流体を利用した無機材料加工

装置・デバイス 環境保全・浄化 低炭素・エネルギー マテリアル・リサイクル
キーワード
内田 寛

理工学部 / 物質生命理工学科

内田 寛 教授

概要

水や二酸化炭素など特定物質の高温高圧相である超臨界流体は、従来の流体とは異なる様々な特徴(高密度、低粘性・高拡散性、溶解・分解特性、低毒性など)を有することから、材料創成のための機能性媒体としてのそれらの産業応用が近年強く注目されています。本研究ではそれらを利用した様々な無機材料(薄膜、微粒子、多孔体など)の加工プロセスの開発を実施しています。

応用例

  • 超臨界二酸化炭素流体を利用した薄膜堆積装置を開発し、低温膜堆積ならびに段差被覆の性能に富んだ薄膜堆積手法を確立しました。
  • ゾルゲル材料の処理や有機金属化合物の溶解抽出に利用可能な超臨界二酸化炭素流体処理装置を開発しました。

今後の発展性

超臨界流体の特性を利用する事により、従来法では困難な材料加工の実現に貢献します。
(キーワード:低温合成、微細孔浸入・被覆、多成分材料)

研究設備

超臨界流体関係:薄膜堆積装置、材料処理装置、溶解度測定装置等
材料分析関係:スピンコーター、ディップコーター、電気炉、赤外線加熱炉、真空蒸着装置
材料分析関係:可視紫外分光装置、赤外分光装置、光学顕微鏡、インピーダンスアナライザ、強誘電体評価システム

共同研究・外部機関との連携への期待

超臨界流体を利用した新規材料加工手法の開発、ならびにそれらの利点を活用した新規機能性デバイスの創成

関連特許・論文等

H. UCHIDA, A. OTSUBO, K. ITATANI and S. KODA, “Low-temperature Deposition of Polycrystalline Titanium Oxide Thin Film on Si Substrate using Supercritical Carbon Dioxide Fluid”, Jpn. J. Appl. Phys., 44, 1901-1906 (2005).
F. KANO, H. UCHIDA and S. KODA, “Low Temperature Deposition of Titanium Oxide Containing Thin Films in Trench Features from Titanium Diisopropoxide Bis(dipivaloylmethanate) in Supercritical CO2”, J. Supercrit. Fluids, 50, 313-319 (2009).

シェアする