2023.07.14
理工学部 / 物質生命理工学科
木川田 喜一 教授
水質、土壌、大気環境に関わる現地調査と試料採取、ならびにその化学分析を通じて、環境負荷物質の検出からその起源同定と拡散プロセスの解析に至るまでの総合的な環境評価や、地域的および広域的な物質輸送・循環モデルの構築を行っています。
当該研究においては、環境試料の採取から分析までを一貫して行うことで総合的な環境評価が可能です。化学分析においては、高度な湿式化学分析技術と機器分析を組み合わせることにより、岩石、難溶性鉱物、土壌などの固体試料から地下水、河川水、さらには海水などの高塩濃度の液体試料まで、あらゆる種類の環境試料の微量分析に対応します。例えばヒ素、セレンや鉛、カドミウムなどの有害元素や、希土類元素やウラン、トリウムなどの地質学的に興味を持たれる元素について、サブppbレベルでの定量が可能です。また、同位体組成分析を加えることで、特定物質の起源や、その移動プロセスの評価も可能となります。
可視・紫外分光装置、イオンクロマトグラフ、原子吸光分光分析装置、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析装置、ICP質量分析装置、湿式化学分析設備一式、ハンドコアラ-(土壌採取器)、バンドーン採水器、エクマンバージ採泥器、ハイボリュームエアサンプラー
分析機器関連あるいは環境分析関連企業と共同での、微量元素や重元素の同位体比測定を目的とした試料分解処理から分離抽出・分析・定量までをパッケージとした新規分析手法ならびに関連装置の開発。またその応用としての、環境コンサルタントや環境評価シンクタンクと共同での新奇環境評価技術の開発。
Kikawada, Y., Oda, K., Nomura, M., Honda, T., Oi, T., Hirose, K., Igarashi, Y., “Origin of enriched uranium contained in Japanese atmospheric deposits”, Natural Science, 2012, vol.4, 936-942.
木川田喜一、”草津白根火山地域の河川水質と温泉水・鉱山排水との関係”、 地下水技術、 2011, vol.53, No.2, 25-37.