マイクロ波を利用した気体分子の回転スペクトルの研究

ライフサイエンス マテリアル・リサイクル 基礎・理論
キーワード
久世 信彦

理工学部 / 物質生命理工学科

久世 信彦 教授

概要

気体状態の分子の立体構造を決定する実験手法として、回転分光法と気体電子回折があります。本研究ではこの2つの実験装置を用いて、新規星間分子の発見と香りを持つ分子の立体構造を精度よく決定するための新しい研究手法の開発を行っています。星間分子の中には地球上では安定に存在できないものがあり、特異な構造をもつものがあります。これら分子がどのような構造をとって、どのように生成してきたかを調べることにより分子進化への手掛かりを探求します。また分子の立体構造と香りの受容との関係を調べるための精密構造の基礎データの収集を手がけています。また振動分光や量子化学計算による研究も加えて、これらの分子の構造と反応ダイナミクスについて多面的に研究を進め、実験装置・データ解析の開発を進めています。

応用例

マイクロ波分光器にパルス放電ノズルを取り付け,ラジカルなどの短寿命分子の回転スペクトルの観測を行っている。

今後の発展性

ミリ波分光計,チャープパルスフーリエ変換マイクロ波分光器の開発

研究設備

フーリエ変調型マイクロ波分光器

共同研究・外部機関との連携への期待

電波天文観測と実験室系での回転スペクトル測定を通じた,新規星間分子の発見と,星形成モデルへの応用研究

関連特許・論文等

Nobuhiko Kuze, Atsushi Ishikawa, Maho Kono, Takayuki Kobayashi, Noriyuki Fuchisawa, Takemasa Tsuji, and Hiroshi Takeuchi
Molecular Structure and Internal Rotation of CF3 Group of Methyl Trifluoroacetate: Gas Electron Diffraction, Microwave Spectroscopy, and Quantum Chemical Calculation Studies
The Journal of Physical Chemistry A, 119, 1774-1786 (2015).

シェアする