2023.07.14
DNAはすべての生命が遺伝情報として持っている物質です。したがって化学的にとても安定で、生体適合性が高く環境負荷が低いという優れた性質を持っています。また、化学合成法も確立されていることから、バイオナノマテリアルとしての応用が期待できます。当研究室では、低分子医薬品の開発に用いられてきたStructure-Based Designの手法をDNAナノマテリアルのデザインに応用して、未来の新素材の開発に取り組んでいます。
我々は日本国内で唯一の「核酸」に特化したX線構造生物学の研究室です。当研究室で独自に開発した核酸分子結晶化法・構造解析法を駆使して、高精度の立体構造情報をご提供します。そしてDNAの構造的特長を活かしたバイオナノマテリアルのデザインを承ります。これまでに、DNA-銀ハイブリッドナノワイヤーやDNA八重らせんナノケージ、DNAナノ分子スイッチなどの合成に成功しています。
結晶化のための一連の設備、構造解析用コンピューター、温度制御紫外可視分光光度計、蛍光光度計、分子間相互作用解析装置、核酸分子結晶化法(独自に開発)、核酸分子構造決定法(独自に開発)
【特許】特願2016-062547 近藤次郎, 多田能成「DNAー金属ハイブリッドナノワイヤーおよびその製造方法」
【論文】Jiro Kondo et al., “A metallo-DNA nanowire with uninterrupted one-dimensional silver array” Nature Chemistry, 9, 956–960 (2017).
【論文】Jiro Kondo et al., “High-resolution crystal structure of Silver(I)-RNA hybrid duplex containing Watson-Crick-like C-Silver(I)-C metallo-base pair” Angew. Chem. Int. Ed., 54, 13323-13326 (2015).
【論文】Jiro Kondo et al., “Crystal structure of metallo-DNA duplex containing consecutive Watson-Crick-like T-HgII-T base pairs” Angew. Chem. Int. Ed., 53, 2385-2388 (2014).