DNAナノマテリアルのStructure-Based Design

ナノ・マイクロ科学 生物科学
9:産業と技術革新の基盤をつくろう
12:つくる責任 つかう責任
キーワード
近藤 次郎

理工学部 / 物質生命理工学科

近藤 次郎 教授

概要

DNAはすべての生命が遺伝情報として持っている物質です。したがって化学的にとても安定で、生体適合性が高く環境負荷が低いという優れた性質を持っています。また、化学合成法も確立されていることから、バイオナノマテリアルとしての応用が期待できます。当研究室では、低分子医薬品の開発に用いられてきたStructure-Based Designの手法をDNAナノマテリアルのデザインに応用して、未来の新素材の開発に取り組んでいます。

 我々は日本国内で唯一の「核酸」に特化したX線構造生物学の研究室です。当研究室で独自に開発した核酸分子結晶化法・構造解析法を駆使して、高精度の立体構造情報をご提供します。そしてDNAの構造的特長を活かしたバイオナノマテリアルのデザインを承ります。これまでに、DNA-銀ハイブリッドナノワイヤーやDNA八重らせんナノケージ、DNAナノ分子スイッチなどの合成に成功しています。

DNA-銀ハイブリッドナノワイヤーの立体構造(Kondo et al., 2017 Nature Chemistry; 特願2016-062547)
DNA八重らせんナノケージの立体構造(Kondo et al., 2004 Nucleic Acids Res.

応用例

  • DNAの構造的特長を活かしたバイオナノマテリアルの開発
  • DNA-重金属ハイブリッドナノワイヤーの開発
  • DNAスイッチの開発
  • DNAセンサーの開発

研究設備

結晶化のための一連の設備、構造解析用コンピューター、温度制御紫外可視分光光度計、蛍光光度計、分子間相互作用解析装置、核酸分子結晶化法(独自に開発)、核酸分子構造決定法(独自に開発)

共同研究・外部機関との連携への期待

  • 立体構造情報に基づいて新しいDNAナノマテリアルをデザインします。
  • DNAナノマテリアル・ナノデバイスの物性評価等についてご協力ください。

関連特許・論文等

【特許】特願2016-062547 近藤次郎, 多田能成「DNAー金属ハイブリッドナノワイヤーおよびその製造方法」
【論文】Jiro Kondo et al., “A metallo-DNA nanowire with uninterrupted one-dimensional silver array” Nature Chemistry9, 956–960 (2017).
【論文】Jiro Kondo et al., “High-resolution crystal structure of Silver(I)-RNA hybrid duplex containing Watson-Crick-like C-Silver(I)-C metallo-base pair” Angew. Chem. Int. Ed.54, 13323-13326 (2015).
【論文】Jiro Kondo et al., “Crystal structure of metallo-DNA duplex containing consecutive Watson-Crick-like T-HgII-T base pairs” Angew. Chem. Int. Ed.53, 2385-2388 (2014).

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