2023.07.14
現在市販されている医薬品の約95%はタンパク質をターゲットとしています。しかし近年、創薬のターゲットとなるタンパク質が枯渇しており、新薬の開発件数が頭打ちになってきているのが現状です。そこで当研究室では、これまで創薬ターゲットとしてあまり認識されてこなかった核酸(DNA・RNA)に着目し、これに作用する低分子医薬品の開発に取り組んでいます。
我々は日本国内で唯一の「核酸」に特化したX線構造生物学の研究室です。当研究室で独自に開発した核酸分子結晶化法・構造解析法を駆使して、高精度の立体構造情報をご提供します。そして核酸の立体構造と相互作用に関するノウハウを活かして、核酸をターゲットとした低分子医薬品のデザインを承ります。これまでに、薬剤耐性菌や感染性原虫のRNAに作用する新規薬剤の開発に成功しています。
創薬のターゲットとなるタンパク質が枯渇している現状から、核酸(DNA・RNA)は今後新しい創薬ターゲットの主流となる可能性を秘めています。
結晶化のための一連の設備、構造解析用コンピューター、温度制御紫外可視分光光度計、蛍光光度計、分子間相互作用解析装置、核酸分子結晶化法(独自に開発)、核酸分子構造決定法(独自に開発)
【論文】Jiro Kondo. “A structural basis for the antibiotic resistance conferred by an A1408G mutation in 16S rRNA and for the antiprotozoal activity of aminoglycosides.” Angew. Chem. Int. Ed., 51, 465-468.(2012).
【報道記事】「上智大 細菌の抗生物質耐性獲得メカニズム解明 新薬の設計・開発に応用も」化学工業日報(2011年12月12日)