イオン液体が拓く環境調和型プロセスおよび高性能電解質の開発

低炭素・エネルギー マテリアル・リサイクル
7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
9:産業と技術革新の基盤をつくろう
12:つくる責任 つかう責任
キーワード
藤田 正博

理工学部 / 物質生命理工学科

藤田 正博 教授

連絡先 masahi-f@sophia.ac.jp

概要

 イオン液体とは、有機の陽イオンと陰イオンを組み合わせて室温で液体となる塩の総称です。イオン液体は、イオンのみからなる液体で静電的な相互作用力が強いため、真空下で加熱しても揮発せず、揮発しない液体なので燃えないという特徴を有します。これら不揮発性・不燃性という特徴が、一般的な揮発性有機溶媒とイオン液体を最も区別する性質です。生活環境に飛散しない、繰り返し何度でも使えるという従来困難であった技術開発を容易に達成できることから、地球に優しい“グリーンソルベント”として注目を集めるようになりました。
 我々の研究グループでは、イオン液体を基幹材料として、主に電解質材料の開発とセルロース誘導体の合成に取り組んでいます。

研究設備

紫外・可視分光装置、GPC:Gel Permeation Chromatography、ラマン分光装置、DSC:Differential Scanning Calorimetry、TG-DTA:Differential Thermal Analysis-Thermo Gravimetric、インピーダンスアナライザー、ポテンショ・ガルバノスタット、AFM:Atomic Force Microscope、電池充放電装置

共同研究・外部機関との連携への期待

  • イオン液体中におけるセルロース誘導体の合成
  • 高性能蓄電デバイスの開発

関連特許・論文等

1. E. R. D. Seiler, Y. Takeoka, M. Rikukawa, M. Yoshizawa-Fujita*, “Development of a novel cellulose solvent based on pyrrolidinium hydroxide and reliable solubility analysis”, RSC Adv., 10, 11475-11480 (2020).
2. H. Hanabusa, E. I. Izgorodina, S. Suzuki, Y. Takeoka, M. Rikukawa, M. Yoshizawa-Fujita*, “Cellulose-dissolving protic ionic liquids as low cost catalysts for direct transesterification reactions of cellulose”, Green Chem., 20, 1412-1422 (2018).

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