繊細で部分加熱が可能なインテリジェント電子レンジの開発

電気電子工学
キーワード
堀越 智

理工学部 / 物質生命理工学科

堀越 智 教授

概要

私たちは、1999年よりマイクロ波や他の電磁波をエネルギー源として、化学合成、材料、バイオ、環境、エネルギーに適用すべく、マイクロ波サイエンス(造語)の基礎・応用研究を進めてきた。これらマイクロ波サイエンスを深く実践するには、マイクロ波装置の革新も必要であり、このような事情から新しいマイクロ波照射装置を試作した。本実験で使っている電子レンジはこれらのコア技術を利用した「インテリジェント電子レンジ」である。この電子レンジを使えば、加熱温度や加熱場所の制御を精密に行え、その操作は視覚的に行える。また、電子レンジ内部には食品の形状、色、温度分布を観察するために各カメラが設置されており、これらの制御も扉のタブレットで観察できる。さらに、電子レンジで温める食品情報や温めた後の様々な情報は、無線LANを通してサーバーからダウンロードまたはアップロードできるため、個食の特徴を解析するための蓄積データとして利用できる。
(1) お弁当などの温めたい部分だけを選択的に加熱できる
(2) アイスクリームや冷凍食品を適正温度で加熱できる
(3) マイクロ波発生装置を超小型にできるため電子レンジ以外の加熱用途にも使える
(4) 既存のマイクロ波発振器とは異なり振動に強いため、配達用のバイクなどにも設置できる。

インテリジェント電子レンジ(第4号機)の外観写真
インテリジェント電子レンジによるお弁当内のご飯の選択加熱をサーモグラフィーで観察した様子

応用例

電子レンジ、加熱調理機、化学反応装置、乾燥装置

今後の発展性

現在、非常に製品に近いレベルまで技術は到達している。

共同研究・外部機関との連携への期待

制御用ソフトをより高度なものにする必要がある。また、画像認識などの精度も上げる必要がある。これらを協力していただける方

関連特許・論文等

S. Horikoshi, Selective Heating of Food using a Semiconductor Phase Control Microwave Cooking Oven, IMPI’S 49th Microwave power symposium, San Diego, California, USA, (2015)
堀越 智, 食品の選択加熱が可能な半導体発振器搭載電子レンジの開発, 日本電磁波エネルギー応用学会2015年シンポジウム,(2015)

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