マイクロ波有機ハイドライド法による低コスト省エネ型水素貯蔵・移動技術

低炭素・エネルギー 複合化学
キーワード
堀越 智

理工学部 / 物質生命理工学科

堀越 智 教授

概要

水素エネルギーはガスであることから貯蔵や移動が困難である。このため、ガスから液体化する必要がある。このため様々な液化法(高圧冷却、貯蔵金属、有機ハイドライド)などが検討されているが、どの技術も一長一短があることが知られている。有機ハイドライド法は有機溶媒に水素を添加することで液化し、水素が必要な場合には脱水素反応で取り出すことができることから、既存の石油インフラを利用できる利点がある。一方、脱水素反応には貴金属触媒と加熱操作が必要であり、触媒コストと加熱エネルギーの消費が問題点として挙げられる。本技術では、
(1) マイクロ波炭素触媒を用いることで貴金属フリーの触媒による水素取り出しに成功。
(2) 触媒のマイクロ波選択加熱により既存法の1/25以下の触媒で水素取り出しが可能となり、加熱に必要なエネルギーを1/8に削減できることを実証した。
(3) 既存装置に比べ小型化ができる。

マイクロ波法と既存法の触媒加熱に対するイメージ図

応用例

現在までの結果から本装置は小型または中型の水素発生機として有効であることがわかっている。

共同研究・外部機関との連携への期待

すでに実験室レベルでの試験は完了し、現在スケールアップの段階に入っている。
スケールアップに伴う省エネ度や低コスト度を検討するとともに、実証実験を行っていただける企業を募集する。

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