輸送特性とμSRによる新奇な超伝導材料の研究

マテリアル・リサイクル
キーワード
足立 匡

理工学部 / 機能創造理工学科

足立 匡 教授

概要

銅酸化物高温超伝導体、鉄カルコゲナイド超伝導体の高品質試料を作製し、電気抵抗率、ホール係数などの輸送特性、比熱などの熱物性、ミュオンスピン緩和(μSR)によるスピンダイナミクスを調べることから、超伝導のメカニズムを解明し、新しい超伝導物質の設計に役立てます。また、新奇な量子状態を有する物質の開発を目指します。

図1.
La系銅酸化物超伝導体 La2-xBaxCuO4(x=0.11)単結晶.世界で初めて育成されました.
図2.
La系銅酸化物超伝導体 La2-xSrxCu1-yFeyO4におけるゼロ磁場μSRスペクトル.最低温の2Kにおいて、長距離磁気秩序の形成を意味するミュオンスピン回転が見られます.

応用例

超伝導のメカニズムを解明して、高い転移温度を持つ新しい超伝導物質の開発に役立てます。また、新奇な量子状態を有する物質の開発も目指します。

今後の発展性

超伝導に代表される新奇な量子状態を有する物質の開発を通じて、国内外の他の研究機関との共同研究を展開します。これによって、世界に新しい物理を発信していくとともに、応用に結びつくシーズを提供していきます。

研究設備

電気炉(マッフル炉、管状炉)、真空ポンプ(ターボ、拡散)、輸送特性測定用4K冷凍機、フローティング・ゾーン単結晶育成装置、X線回折装置、グローブボックス他

共同研究・外部機関との連携への期待

ミュオンスピン緩和法による機能性材料のスピンダイナミクスの研究、新しい超伝導材料の開発

関連特許・論文等

・T. Adachi et al., “Effects of Zn and Ni substitution on the Cu spin dynamics and superconductivity in La2-xSrxCu1-y(Zn,Ni)yO4 (x = 0.15 _0.20): Muon spin relaxation and magnetic susceptibility study”, Phys. Rev. B 78, 134515 (2008).
・T. Adachi et al., “Crystal growth, transport properties and crystal structure of the single-crystal La2-xBaxCuO4 (x = 0.11)”, Phys. Rev. B 64, 144524 (2001).

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