最適制御を用いた自動車の協調的な自動合流の生成

情報・通信 低炭素・エネルギー
キーワード

理工学部 / 機能創造理工学科

曹 文静 准教授

概要

自動車の合流は運転負担の高い運転挙動で、渋滞の原因にもなる。そのため、従来から研究が進められている。過去の研究により、本線を走る車は必要に応じて、協調的に動いてくれることがよくあり、このような協調的な合流は交通流量の向上に貢献していることが分かった。また近年車車間通信や路車間通信が徐々に可能になってきている。
そこで、本線車と合流車の挙動を同時最適化し、協調的な合流挙動を生成し、運転者の運転負荷の低減と交通流量の向上に貢献することを考えた。過去の研究により、上記のコンセプトが可能であり、相関車両の挙動の同時最適化で幾つかのシーンにおける実際の合流挙動を生成できた。

従来から、衝突回避のために、合流挙動などの軌道生成のときに、一般的には車間距離を一定値以上に保つように考えられてきた。しかし、実際の人間の運転では、高速走行時には長い車間距離を保持して、低速時では車間距離が短くてもいい。車間距離を一定値以上設定すると、高速走行時で乗客に恐怖感を与える可能性が高い。

そこで考えたのは航空機の合流問題で用いられる合流の時間間隔を保証できる合流軌道と合流順序の同時最適化方法を適用することである。この方法を適用することで、車間時間を保障した上で、合流部付近を走る車両の順番と軌道を同時に生成することができて、安全、安心、高交通流量な自動合流を生成できると考えられる。また道路勾配や車両のエネルギー消費特性を考慮することで、低燃費な走行も可能になる。

相関車両の挙動の同時最適化で実際の合流挙動を生成した
図の中で○は各時刻での合流車の位置を表示し、×と□は前後を走る本線車を表示する。
車間距離一定で走行すると高速時に乗客が怖く感じる
車間時間を拘束することで、安全余裕が高くなり、乗客が安心に感じるのと同時に緊急時の対応がしやすくなる。

応用例

本手法により、自動車の合流、交差点での右左折、駐車場から一般路までの走行挙動などを生成できる。

または、車椅子、ロボットなどの協調的な自動走行などに適用できる。

共同研究・外部機関との連携への期待

共同研究による資金補助
実問題における課題の提供など

シェアする