2023.07.20
理工学部 / 機能創造理工学科
高尾 智明 教授
超伝導線に応力を印加して、超伝導特性の劣化や機械的な歪みを評価します。
応力の方向:線の長手方向に伸張、線表面に垂直はく離(曲げ、ねじり、線表面の圧縮も実績あり)
温 度 :77K(液体窒素に浸漬)、予備的に常温も
評価項目 :応力による歪み、臨界電流、交流通電損失(常温では予備的に歪みのみを測定)
超伝導線 :高温超伝導線
超伝導線単独の性能評価の結果は、学会等で幾つかの研究機関から発表されています。実際の超伝導機器応用を想定すると、応力下での性能評価が不可欠です。当研究室では、コイル化して冷却する際の歪みや通電時の電磁応力を想定して、超伝導線に応力を印加した状態での性能評価を実施しています。
また、交流電流を流す際の評価として、交流通電損失を測定します。

超伝導を用いる応用機器に使われる各種の超伝導線の性能評価を行います。
応用機器の例としては、医療診断装置のMRI(Magnetic Resonance Imaging system)、リニアモーターカー、発電機やモーターなどが挙げられます。
超伝導機器の発展のためには、この評価装置のように実機を想定した応力を印加して性能評価することが不可欠です。今後の応用機器実現のための下支えとなるようなデータを蓄積してゆきます。
極低温における本評価システム。その周辺機器としてDCおよびAC電源、計測機器群を所有。
多くの研究機関、企業などで新しいタイプの超伝導線、改良型の超伝導線が開発されてきています。それらを本研究室にて性能評価することにより、機器応用に適する線材を見つけてゆきたいと考えています。