高度医療技術に用いる生体機能材料の構築

医療・医用 マテリアル・リサイクル
3:すべての人に健康と福祉を
9:産業と技術革新の基盤をつくろう
12:つくる責任 つかう責任
キーワード
久森 紀之

理工学部 / 機能創造理工学科

久森 紀之 教授

連絡先 hisamori@sophia.ac.jp

概要

 我が国における高齢化は、骨や関節軟骨などの変性による骨粗鬆症、変形性脊椎症、変形性関節症などの運動機能の疾患を増加させています。そのため、健康で豊かな生活の質の向上を目的に、スポーツを取り入れた生活習慣が広く普及しつつあります。しかし、その活動人口の増加や高齢化に伴い、骨折、靱帯損傷、軟骨損傷などの運動器外傷もまた増加しています。このような運動器疾患の治療は、今後の医療の大きな課題の一つであり、運動器の性状、形態、物理的特性などをできる限り元の生理的な状態に戻すことが重要です。そこで、骨、軟骨、靱帯、関節を代替する材料を対象に医学と理工学の境界領域での生体材料工学の観点から研究活動を行っています。

応用例

以下のような研究例に応用できます。
(医療用)髄内釘インプラントデバイスの疲労試験方法の開発とその評価方法の提案、医療材料のコーティング材における界面強度とその評価方法の提案、人工関節しゅう動部材の表面改質と機能性付与技術の構築、スクラッチ損傷を付与した人工関節しゅう動部材の腐食摩耗特性の評価、チタン合金ロッキングプレートの勘合不良に関する研究、積層造形法を用いたチタン合金の創製と医療用デバイスへの応用、整形外科領域で用いる医療測定器の開発、医工連携プログラムの推進

今後の発展性

  • 高度医療技術のために生体機能材料の開発・構築およびその力学的評価方法の確立を目指しています。

研究設備

材料強度評価試験装置、疲労試験装置、硬さ評価試験装置、摩耗試験装置、腐食特性評価試験装置、構造解析評価試験装置(XRD:X-ray Diffraction、EBSD:Electron Back Scatter Diffraction Patterns、FT-IR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy、EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)、微細組織構造観察試験装置(FE-SEM:Field Emission – Scanning Electron Microscope、SEM、SPM:Scanning Probe Microscope、レーザー顕微鏡、偏光顕微鏡)、表面粗さ測定装置、等

共同研究・外部機関との連携への期待

  • 高度医療技術に用いる生体機能材料の開発・構築およびその力学的評価方法の提案

関連特許・論文等

「下肢筋力定量化装置」 特許第3927927号
・破壊力学大系 -壊れない製品設計へ向けて- 第2編第2章1節 「生体材料」 分担 エヌ・ティー・エス (2012年2月)
・水谷正義、久森紀之、水野隆文、江面篤志、大内邦夫、大森整、藤原邦彦、土居憲司、藏本孝一 “ELID研削を施したCo-Cr合金の超高分子量ポリエチレンによる摩擦環境下における腐食特性評価”、砥粒加工学会誌、56, 3, 184-189, 2012.
・萩原行人、大場剛、久森紀之、鈴木啓史、高井健一 “高強度鋼の遅れ破壊特性に及ぼす塑性ひずみと予荷重の影響”、鉄と鋼、97, 12, 623-630, 2011.

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