機器の高効率制御のためのトラッキング制御法

低炭素・エネルギー
キーワード
宮武 昌史

理工学部 / 機能創造理工学科

宮武 昌史 教授

概要

発電装置や負荷を最大効率で動かすことは、省エネや再生可能エネルギー利用にとって極めて重要な技術となっています。しかし、特性が正確に分かっていない対象に対してこのような制御を行う場合、制御器が自発的に最大効率条件を見つけ出すトラッキング制御が不可欠です。本研究室では、太陽光発電システムの最大電力追従 (Maximum Power Point Tracking: MPPT) 制御技術について10年以上の蓄積があり,3タイプの手法を提案しています。
(1) フィボナッチ探索を用いた手法:高速かつ安定した制御特性を有します。(2) 粒子群最適化 (Particle Swarm Optimization: PSO) を用いた手法:多峰性の特性を持つ対象や1つの制御器で複数の対象を一括制御できる高機能な制御特性を有します。(3) リプルと二分探索法を用いた手法:非常に高速な制御特性を有します。

応用例

このようなトラッキング制御は、太陽光発電だけではなく、様々な応用の可能性があります。例えば、風力発電の回転数制御、その他各種エネルギーハーベスティング系の発電機制御や、電動機の最大効率制御なども考えられます。

今後の発展性

地球環境問題や,昨今の節電への取り組みの中で,スマートグリッドの高度化に向けて発電機や負荷の効率を高めることは必須となってくると考えます。このシーズを用いて、様々な応用例を開拓できればと思います。

研究設備

300W太陽光発電システム、電圧・電流・電力等の計測器。
計算機群とMATLAB等の解析・シミュレーションソフトウェア。

共同研究・外部機関との連携への期待

本シーズは比較的短期間で実装可能な技術と考えております。

関連特許・論文等

M. Miyatake, M. Veerachary, F. Toriumi, N. Fujii & H. Ko, “Maximum Power Point Tracking of Multiple Photovoltaic Arrays: A Particle Swarm Optimization Approach”, IEEE Transactions on Aerospace and Electronic Systems, Vol. 47, No.1, pp.367-380, 2011.

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