微粒子の流動、凝集、伝熱のシミュレーション

環境保全・浄化
キーワード
渡邉 摩理子

理工学部 / 機能創造理工学科

渡邉 摩理子 准教授

概要

 近年、環境問題に対応するため、エンジンなどの各種燃焼装置から排出される大気汚染物質の低減が求められています。そこで当研究室では、すすなどの粒子状物質の成長や流動を予測し、すすを除去するフィルターの開発に役立てることを目標に、ミクロな視点で粒子の凝集や運動を捉えた新しい粒子解析手法の開発を行っています。
 また、粒子を含む流れ場の対流伝熱や粒子によるふく射の吸収・散乱シミュレーションも行っています。

応用例

本研究は、すすの挙動に限らず、大気中のエアロゾル粒子の流動や伝熱への寄与、アスベストのような有害な粉塵の飛散、バイオリアクターやケミカルリアクター内の流れ、生体内の流れなど、微粒子やその集合体が関わるあらゆる現象に応用できます。
さらに、近年注目されている微粒子製造技術へも応用できます。

今後の発展性

粒子の物理的特性をモデルとしてシミュレーションに組み入れ、様々な工業的問題に対応できるよう解析手法の開発を進めます。

研究設備

ワークステーション

共同研究・外部機関との連携への期待

共同研究を通じて、微粒子を捕集するフィルターの開発や微粒子製造における課題を解決できるシミュレーションへと発展させ、産業へ貢献したいと考えております。

関連特許・論文等

Mariko Watanabe, “Investigation of the factors affecting aggregation of submicron particles by Brownian dynamics simulation”, The 23rd International Symposium on Transport Phenomena, 177 (2012).
上山篤史、 守家智士、 中村摩理子、 梶島岳夫、 “伝熱を伴う固液二相流に対する埋め込み境界法”、 日本機械学会論文集B編 77巻 775号、 803-814 (2011).
Yuhei Murakami, Mariko Nakamura, “Numerical simulation of an electromagnetic wave in the thermal radiation spectrum using Finite Difference Time Domain method”, The 8th KSME-JSME Thermal and Fluids Engineering Conference, GST05-003 (2012).

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