結び目理論とカンドル代数

基礎・理論
キーワード
大城 佳奈子

理工学部 / 情報理工学科

大城 佳奈子 准教授

概要

 古典及び曲面結び目理論の研究を行っています。結び目とは3次元空間内の1次元球面であり、空間内の連続変形で移り合う2つの結び目は同じものであるとみなします。結び目理論の基本問題は主に2種類に分けられ、結び目全体を対象とする分類問題と、個々の結び目の性質について研究する局所問題があります。これらの問題を解決するためには、違う2つの結び目を “違う” と言い切るための道具、つまり結び目不変量が必要になります。

 カンドルとは、結び目の性質から得られる公理を備えた代数系です。カンドルを用いることで様々な結び目不変量が定義され、絡み数や曲面結び目の三重点数等、諸性質に関する研究に応用されています。

 カンドル彩色数やカンドルコサイクル不変量等のカンドルから得られる結び目不変量の研究を発展させることで、古典及び曲面結び目の様々な性質を明らかにしていきたいと思っています。

応用例

3次元多様体論、DNAやたんぱく質の研究、統計力学の研究等に応用されています。

今後の発展性

カンドルの研究を通して曲面結び目の簡単かつ強力な新しい不変量構成を目指しています。

研究設備

PC数台、Mathematica

共同研究・外部機関との連携への期待

分子生物学への結び目理論の応用

関連特許・論文等

Kanako Oshiro, “Triple point numbers of surface-links and symmetric quandle cocycle invariants”, Algebraic & Geometric Topology 10 (2010), 853-865.

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